肌再生のメリットデメリットと治療法について美容皮膚科院長が徹底解説

再生医療 肌再生医療

肌再生

若かりし頃とは違い皮膚の表面が硬くなり弾力を失った肌。もうあの頃のみずみずしい肌に戻れない…。と思っていませんか?

実は肌は再生します。近年では肌再生医療が注目され、美容に限らず医療分野でも、その力は証明されているのです。本記事では肌再生について徹底解説をします。

「肌を再生する」とは?

「肌を再生する」とは?

肌再生医療とは、自身の肌細胞を採取し約10,000倍に培養して、肌悩みを抱えている気になる部位に再移植する最先端の治療方法です。

綺麗な肌の状態と比較すると細胞は次第に減少します。そこで減少していく細胞と同じ幹細胞を採取し、必要な部位に戻すことで肌の修復を図るのです。

つまり人間が持つ再生機能を使った治療が肌再生医療の仕組みといっていいでしょう。

肌再生医療では肌を蘇らせたり加齢のスピードを遅延したりできます。

また、肌再生医療では美容分野だけではなく、病気やケガなどの事故によって細胞が欠損した場合や機能低下した臓器の治療にも用いられています。

肌を再生することで得られる効果と デメリットについて

肌を再生することで得られる効果と デメリットについて

肌再生医療のように肌を再生することで、さまざまな効果が実感できます。しかし、一方で肌再生医療にはデメリットもあります。

効果①:老化の改善

肌の再生医療では幹細胞の数を増やすことができるため、美肌成分を作る働きを活性化することができます。

加齢とともに肌の水分量は低下。水分を失った肌にはシミやしわ、たるみといった加齢現象があらわれてしまいます。

しかし、一度幹細胞を注入することで、自身が本来持っている力を発揮するため、肌の状態も修復されます。

効果②:老化予防

すでに肌にあらわれてしまった症状を改善する以外にも、肌の再生医療では老化を予防することも可能です。

肌再生医療に用いられる幹細胞は身体に定着するまで半年~1年ほどかかります。つまり効果は緩やかに感じられるでしょう。

そこで肌再生医療により幹細胞を増やすことで、肌の組織が生まれ変わるため肌のトラブルをあらかじめ抑えることができるのです。幹細胞が定着すれば老化現象の進行を抑えることができます。

効果③:美肌効果

幹細胞を肌に注入すると、本来肌が持っている再生機能の働きを活性化する効果があります。

肌にはもともとコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸やタンパク質が存在します。肌再生医療によって活性化した細胞は、これらを正常に生成するので美肌を体感できるのです。

治療後はうるおいやハリのある肌が期待できます。

デメリット①:100%の効果を感じられない

肌再生医療は100%の効果を実感できるとはいえません。効果や持続時間には個人差があります。

患者様の肌質や体質によっては予想以上に早く効果がみられる人もいますが、一方で効果が出るのに時間がかかる人もいます。

デメリット②:治療費が高額

肌再生医療は、肌本来の再生機能を活性化させるので基本的には後戻りをしません。

しかし、美容目的で使用される肌再生医療は保険適用外となっています。そのため治療費が高額になりやすいというデメリットがあります。

また、クリニックによっては相場よりもかなり高めな価格設定をしている場合もあり経済的な面が心配されます。

治療の流れとその後

治療の流れとその後

肌再生医療を受ける際は、あらかじめクリニックに連絡し、予約をしておきましょう。

カウンセリング

予約した日時にご来院していただきます。問診票に記入をしていただき、実際に患者様がどんな肌悩みを抱えているのか、どういった部位なのか医師がカウンセリングをします。

そこで肌再生医療の説明をし、治療内容をご提案いたします。治療において不安な点があれば、お気軽にご質問ください。

血液検査

肌再生医療の治療を行う前に患者様の血液検査をいたします。

血液検査ではTPHA(梅毒)、 HBs抗原(B型肝炎)、 HCV(C型肝炎)、HIV(エイズ)、 HTLV-1(ヒト白血病ウィルス)の5項目を検査します。

皮膚採取

肌再生医療で使用する細胞を、耳の裏から採取します。耳の後ろは紫外線の影響を受けにくいため、肌細胞が若いことから肌組織を修復する幹細胞に向いています。

採取時には麻酔を使用するので、ほとんど痛みを感じません。その後、培養する血液も採取します。

肌細胞を培養

当院が委託している業者に採取した皮膚から肌細胞を抽出してもらいます。培養するまでの期間は約5週間です。

移植

細胞の培養が10,000倍までの培養が完了したら、再度ご来院していただき肌細胞を患者様の肌に移植します。

移植後、肌が修復するまで3か月~半年で効果が見られます。また、ダウンタイムにも個人差がありますが1~3日で回復するでしょう。

治療後

肌細胞の移植から数か月後、患者様の状態を確認するため検診にきていただきます。

肌再生の施術内容

肌再生医療では採取した幹細胞を培養し、気になる部位に戻すシンプルな施術方法です。

そのため拒絶反応がほとんど発生しません。また、肌再生医療では「線維芽細胞療法」と「PRP療法」の2種類が存在します。

線維芽細胞療法

線維芽細胞療法とは、自身の維芽細胞を採取し、専用の施設でお肌の気になる部位に注射で移植する方法です。

減少した維芽細胞が肌に注入されると、新たにコラーゲンやヒアルロン酸が作られ、肌の弾力を取り戻ししわやたるみの改善に期待ができます。

PRP療法

PRP療法ではPRP(多血小板血漿)を注入することで、肌の細胞や組織が作られる成長因子が放出されるため、コラーゲンの生成や新陳代謝が促されます。

自身の血液を採取したあと、遠心分離機で成長因子が多く含まれているPRP、すなわち多血小板血漿のみを取り出します。その後、肌の気になる部位にPRPを注入します。

PRP療法では使用する細胞や血液はご自身に備わっているものなので、アレルギーや拒絶反応はほとんど見られません。

費用

費用

医療のために幹細胞を使用する場合は保険が適用されますが、肌再生医療のように美容目的の場合は保険適用外です。

安くて数十万から数百万程度かかります。肌再生医療では専門的な知識と技術が必要な治療です。

そのため相場よりも安く提示しているクリニックでは、安全性に欠ける恐れがあるため、十分に下調べをしておきましょう。

よくあるご質問

よくあるご質問

Q1.肌再生の治療は後戻りしますか?
基本的には後戻りしません。しかし、治療後も年齢に応じた自然なたるみや肌トラブルが見られる場合があります。

治療後もご自身でのセルフケアをしっかりと行ってください。

Q2.保険適用ですか?
美容目的で使用される肌再生医療は保険適用外となります。

また自由診療のためクリニックによって価格に差が生じます。

Q3.採血前の食事制限はありますか?
特に食事制限は必要ありません。通常通り食事をしていただいても大丈夫です。

Q4.内出血や腫れはありますか?
施術後はまれに内出血がでることがあります。しかし、化粧で隠せる程度の内出血ですのでほとんど心配ありません。

また、肌が腫れ続けることもありません。

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